カンティヨン・伝統のビール造り
07/12/05
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玄関横の試飲スペース。
ここだけでも雰囲気あります。
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ランビックビールを造る老舗カンティヨン醸造所に行ってきました。ブリュッセル南駅の近く、閑静な住宅街の中にある醸造所で、ここはグーズ博物館ともいいますが、いわゆる田舎の造り酒屋のような小さな醸造所です。入口のような戸を開けるとおばあちゃんが出迎えてくれ、日本から来たと言ったらとても喜んでくれました。どういう風に見学するのかと思ったら、ハイって日本語のパンフを手渡され、これ見ながらゆっくり回ってきてってことでした。ある意味グッドアイデア！
ここではランビックビールの造り方を簡単に説明してみたいと思います。
� �1,300kgの麦（小麦35％大麦65％）を粉砕機にかけ粉状にしタンクに入れ、中でお湯と混ぜ合わせます。２時間で中の温度は72℃となり糖化がおこります。この糖分が後に発酵によってアルコールに変わります。混ざったら静置して二層に分離させた後、糖分を抽出するため溶けた麦と混ざるようにお湯を加え、下の濾過槽に溜めます。１0,000Lの湯を使い抽出した液体をウォートと呼びます。そこに３年ものの古いホップを加えて３時間煮沸すると殺菌され、水分が蒸発することにより濃度が増します。フィルターでホップを取り除いたら冷却槽に運ばれます。
�◆［箋兪紊枠鷯錣棒�く表面積の広いもので、ウォートをここで空気に触れさせます。するとブリュッセル近郊のみに生息すると言われる様々な天然の菌が空気に運ばれてやってきて、40℃まで下がったウォートに根付き始めます。樽の中で自然発酵を起こさせるのがこれらの天然の菌です。翌朝18℃に冷却されたウォートは屋根裏のタンクに移されます。
�� カンティヨンでは昔ながらの柏か栗材の樽に詰めます。数日後、自然酵母と糖分が反応し「自然発酵」が始まります。３〜４日は発酵が激しく、炭酸ガスの発生により樽の蓋を閉めてると爆発の危険があるそうです。４〜５週間後には次のゆっくりとした発酵が始まり、樽は密閉されこの発酵は３年間続きます。天然の野生酵母が糖分を食いつくしあの酸味が生まれるわけです。３年間寝かしたランビックは20％目減りしてますが、酵母が自己保全のために寄り集い皮膜を形成し、これが樽の中の空気によるビールの酸化から守る役割をします。
�ぁ．亜璽坤咫璽襪魯咫璽訃�造の杜氏が１年から３年もののランビックをブレンドして作ります。若いビールは瓶内発酵に必要な糖分を含み、古いビールに繊細さと香りをもたらします。ボトリングした瓶は地下の貯蔵庫で何ヶ月も過ごします。糖分により瓶内で再発酵し発生する炭酸ガスが自然にランビックの中で飽和し、それで発泡するようになります。グーズビールの誕生です。
外気温の関係でビール造りは10月下旬から４月までしか行われません。さもビール造りの過程を見学してきたかのようにみえるかもしれませんが、僕が訪れた時は補修工事中で大工さんがトンチンカンチンやってました。
さて見学が終わったら試飲です。お孫さんが勝手に僕に一杯飲ませちゃったもんでおばあちゃんに叱られてます。おばあちゃんにはおばあちゃんのやり方があるのかな？４種類のランビックの飲み比べ。さすがにここで飲むビールは新鮮で表情豊かに感じます。大満足のカンティヨンでした。
